2006/05/01

■4月29日(土)東京 青葉賞(GII)

ダービーのトライアルレースとして行われた第13回青葉賞は、メンバー中唯一の重賞ウィナーである1番人気アドマイヤメインが、鮮やかな逃げ切り勝ちを収め、ダービーの有力候補へと名乗りを上げた。序盤から楽に先手を奪ったアドマイヤメインは、向こう正面で後続に5馬身ほどの差をつけ、3〜4コーナー手前では逆に後続を引きつける余裕さえ伺わせた。直線に向くと満を持してのゴーサインに鋭く反応し、追いすがる後続を一気に引き離すという何とも味のあるメリハリの効いたレース内容であった。ここ2戦、逃げに転じて詰めの甘さを解消させたアドマイヤメインの真骨頂が見事に開花したレースとなった。

しかもレース中に前脚の蹄鉄を落鉄させていたにもかかわらず、逃げ切るには過酷な東京の2400mを4馬身の着差をもって快勝したのだから、その高い能力には驚かされるばかり。同馬を管理する橋田調教師も「ダービーをいい状態で使うために、皐月賞は使わず、思ったとおりにここまでは来ています」と、ダービーを完全に視野に入れながらの前哨戦での勝利というものに確かな手ごたえを掴んでいた。

2着に入ったのは、アドマイヤメインの離れた2番手を進んだ5番人気のマイネルアラバンサ。ぺースに左右されない安定したレースセンスというものが光った。惜しまれたのは、唯一後方から脚を伸ばして3着に入った4番人気のエイシンテンリュー。メンバー最速の上がり(35秒0)を駆使して後方から追いすがるも、2着のマイネルアラバンサに1馬身半と詰め寄ったところが無情にもゴール。道中の位置取りに加え、直線でスムーズに前を捌けていれば、さらに際どい勝負へと持ち込めていたはずで惜しまれるレース内容であった。

終わってみれば、関西馬が1着から3着までを独占しダービーの優先出走権を獲得した。皐月賞組との比較という観点からも、別路線からダービーに名乗りを上げてきた馬達の存在こそ、華やかな日本ダービーをさらに盛り上げるもの。アドマイヤメインという強力な逃げ馬の存在は、日本ダービーという栄誉あるレースの質をもさらに高めるものとなる。同じアドマイヤの勝負服の選択を迫られることとなった武豊の嬉しい誤算というものが今後は注目される。栄誉ある日本ダービーの主役達が、着実にそのステージへと駒を進めてきている。

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2006/05/01

■4月30日(日)京都 天皇賞春(GI)

あの衝撃的な敗戦から4々月、京都のターフにディープインパクトの勇姿が華やかに舞った。古馬の頂点を決める第133回天皇賞は、断然の支持を集めた1番人気のディープインパクトが、平成9年に樹立したマヤノトップガンの持つ天皇賞レコードを、1秒更新する3分13秒4という驚異的な天皇賞レコードで駆け抜けた。スタートこそ遅れたが終始後方で折り合い、ペースの落ちた3コーナー手前の勝負どころから一気の加速を見せ、直線入り口では早々と先頭に立って後続を突き放した。

先頭で直線に向くと鞍上の武豊は、ディープインパクトの進路を意識的に内ラチ沿いへと導き、右ステッキで最後の脚を確かめるような一味違った試走的な騎乗であった。以前はディープインパクトの行き脚に鞍上が全て一任せざるおえない部分もあったが、この勝利というものは、馬ではなく武豊自身がディープインパクトを自在に制御して勝たせたといっていいもの。ディープインパクトの精神的な成長というものが、見逃せない今回の大きな勝因である。

レース後に記者から、海外の有力馬との比較を求められた武豊は、「これ以上強い馬いるのかな?正直そう思ってますよ」と、常に言葉を選びながら慎重な談話を残す彼にしては珍しいほどの強気な発言というものが飛び交った。いまさらディープインパクトの走りに数字を並べる必要もない。本当の意味で、ディープインパクトと武豊とが強固な絆で結ばれた記念すべきレースではなかったか。

ディープインパクトに遅れること3馬身半、2着には2番人気の古豪リンカーンが入った。絶好な位置から勝ちにいった競馬で2着に踏みとどまった価値というものは極めて高い。あらためてこの馬の持つ潜在能力の高さを認識させられた。長距離戦での上がりの速い決着ということもあり、ステイヤーの資質を持ち人気を集めたマッキーマックス(3番人気)、デルタブルース(4番人気)には辛いレース展開となってしまった。

いよいよ日本最強馬がその歩みを海外(聖地)へと踏み出す時がきた。記念すべき第一歩は奇しくも聖地でハーツクライとの再戦なのか?いずれにしても7月のアスコット競馬場が今から待ち遠しいかぎりだ。時を重ねつつ、「日本の競馬」というものが着実に今変わろうとしている。

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