2006/05/29

■5月27日(土)中京 金鯱賞(GII)

あのサイレンススズカが、そしてタップダンスシチーが先頭で駆け抜けてきた中京伝統の金鯱賞。今年のレースを制したのは岩田康騎手騎乗の3番人気コンゴウリキシオー。好スタートから先手を奪うと終始マイペースで逃げ脚を伸ばし、ローゼンクロイツ(2着)に3馬身差をつけての鮮やかな逃走劇であった。

この勝利で昨春のきさらぎ賞以来念願の重賞2勝目のタイトルを手にすることとなった。長期休養明けを使われながら確実に調子を上げてきたことが勝因として上げられる。メンバー構成からも、単騎逃げでレースを進められたことが好走へとつながったもの。昨春はクラシック戦線にも駒を進めた実績馬が、ようやく馬場のいい中京で完全に本格化を告げる勝利となった。

1番人気で2着したローゼンクロイツだが、道中は内目で折り合いながらレースを進めるも、勝負どころでの反応の悪さというものが勝ち馬との差につながってしまった。中京記念(2着)の実績もあるが、忙しい小回りコースの適正に若干疑問の残るレース内容でもあった。 鞍上に武豊を配して2番人気でレースを向かえたエリモハリアーだが、4角ではローゼンクロイツより一歩先に動くも、直線では伸びを欠いて3着に敗れた。それでも悲観すべきレース内容ではなく、ここを叩いての次走に期待がもたれる。

中京コースには特異性がある。中京コース特有のスパイラルなコーナーというものは、レースにおいて馬が備え持つ脚質での明暗を完全に分けてしまう。反面、騎乗する騎手の仕掛けどころや駆け引き、内外のコース取りなどを見る上では大変興味深いコース形態ともいえるのだ。

勝ったコンゴウリキシオーの出走は未定だが、金鯱賞組の次走には宝塚記念(6月25日 GI 阪神 芝2200m)が有力である。舞台が変わって金鯱賞組の好走に期待したい。

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2006/05/29

■5月28日(日)東京 日本ダービー(GI)

牡馬クラシックの第2弾として行われた第73回日本ダービーは、1番人気のメイショウサムソンが直線で力強く抜け出し、皐月賞に続き2冠目のビッグタイトルを見事に手中に収めた。鞍上の石橋守騎手は競馬学校の1期生を経て、22年目の騎手生活にして初のダービージョッキーの栄冠を手に入れた。尚、2着にも同期の柴田善騎手騎乗の4番人気アドマイヤメインが逃げ粘り、ダービージョッキーを賭けた同期生二人による熾烈な直線の叩き合いに魅了されたレースとなった。

レースはアドマイヤメインが逃げるスローな流れとなったが、終始内目の好位を進んだメイショウサムソンにとっては、抜け出すタイミングだけを待っての理想的なレース展開へとつながった。勝負どころの直線で追い出されると、重心の低いしなやかなフォームから一完歩づつ前を確実に射程圏へと捕らえていった。父:オペラハウス、母祖父:ダンシングブレーヴから受け継ぐガーネットの血筋というものが、当日の湿った馬場状態に高い適正があったといえるものではなかったか。

これでデビューから11戦6勝となったわけだが、直線で舌をだして走っていたことからも、今後さらなる成長が見込める素材でもある。ディープインパクトに継ぐ2年連続3冠馬の誕生も決して夢ではなくなった。レース後の石橋守騎手の談話の中で、瀬戸口調教師からの言葉として「気楽に乗ってこい!」と声を掛けられたことで「気持ちが楽になれました」と感無量な趣でレースを振り返っていた。しかしその表情の裏にはダービーで人気を背負う騎手しか知りえない、「見えない重圧」との戦いが存在していたことをあらためて痛感させられた。

尚、2番人気と支持を集めたフサイチジャンクだが、中団からレースを進めるも直線では伸びきれず11着と大敗した。同じく3番人気のアドマイヤムーンも、終始最後方に近い位置取りから直線の脚に全てを賭けたが、その末脚にいつもの斬れがなく7着に敗れた。結果的に4角を4番手以内で回ってきた馬によるワンツー決着であったことからも、当日の渋った馬場状態とスローな展開というものが、差し追い込み馬にとっては厳しいものとなった。そんな中、道中はアドマイヤムーンとほぼ同位置にいながら、唯一後方から3着にまで押し上げてきたドリームパスポートの末脚には見るべきものがあった。

関係者にとって、そしてファンにとっても日本ダービーというレースは特別なものである。仮に「競馬」にイコールという例えが許されるのであれば、私は何の迷いもなく競馬を「日本ダービー」として例えるであろう。そこには競馬の原点があり、そして競馬の全てが存在するからだ。その戦いは決して終わりを告げることはない。そう、第74代日本ダービ−馬を目指した戦いは既にもう始まっているのだ。

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