2006/07/03

■7月2日(日)函館 函館スプリントS(GIII)

今年から始まるサマースプリントシリーズの開幕を告げる第13回函館スプリントSが、スピード自慢のスプリンター達を集め2日函館競馬場で行われた。シリーズは9月10日のセントウルSまでの5レースをポイント制にて争う褒賞金5000万円というもの。各馬はこのレースを皮切りに真夏のスプリント路線の王者を目指すこととなる。尚、このレースに参戦したシーイズトウショウには牝馬史上初となるJRA同一重賞3連覇の偉業もかかっており、大変興味深い初夏のスプリント王決定戦となった。

そんなレースを制したのは、最も人気のなかった条件馬ビーナスライン。道中は中団に待機し直線に向かうと外から1頭だけ次元の違う差し脚で突き抜けた。これで函館芝コースでは5戦4勝3着1回となり、張り詰めた洋芝への適正がもたらした今回の勝利ではなかったか。

偉業のかかった1番人気のシーイズトウショウだが、好位でレースを進め直線で一旦は先頭に立ちながらも、外からの勝ち馬の決め手に完全に屈してしまったレース。それでも2着に残しているあたりに実績馬の片鱗が十分に伺えたレース内容であった。

残念だったのは2番人気に支持されながら5着に敗れたシンボリグラン。内枠スタートが完全に仇となってしまった。直線でも窮屈なシーンがあり早めに外へと持ち出せなかったことが敗因として上げられる。函館に入ってからの状態が良かっただけに惜しまれるレース内容。

条件馬の身でありながら、ハンデ戦でもないスプリントの別定GIIIを制したビーナスラインには驚嘆させられた。しかしこの結果も状態の良さが優先される夏競馬ならではの現実と捉えるべきであろう。シリーズの次戦はアイビスサマーダッシュ(7月16日 新潟 芝直線1000m GIII)となる。停滞気味の芝短距離路線ではあるが、熱い夏を制す逞しい初代シリーズ王者の誕生を心から願いたい。

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2006/07/03

■7月2日(日)福島 ラジオNIKKEI賞(GIII)

今年からハンデ戦へとリニューアルされ、混戦傾向にさらに拍車がかかった第55回ラジオNIKKEI賞。今年のメンバーは3勝馬すら存在しない寂しい顔ぶれとなったが、秋への飛躍に期待のかかる3歳馬達が初夏のみちのくの地に集結した。開催が進む福島と雨の影響から残念ながら重馬場のコンディションではあったが、白熱した熱いバトルがリニューアル重賞を飾った。

レースを制したのは若干ゲート入りに手こずっていた5番人気のタマモサポート。重賞初騎乗となった佐藤聖(リファインドボディ)が作ったよどみのない流れが、若干折り合いに不安を残すタマモサポートには優位に働いた今回の勝利であった。4角では厳しい流れの中を自ら早めに動き出し、直線に向いてもその脚どりは最後まで乱れることはなかった。強豪相手のスプリングSでの僅差4着という実績が伊達ではなかったことを堂々と証明してみせた完勝劇。勝ち時計1分50秒03、ラスト1ハロン13秒3という我慢比べの消耗戦を制した価値は極めて高いもの。

尚、2着には勝ち馬から2馬身遅れて中団から差してきた2番人気のソングオブウインドが入り、芝に転向して3戦目での重賞連対という非凡な能力の片鱗を伺わせた。1番人気を背負いながら4着に敗れたトウショウシロッコだが、大外枠からのスタートで終始外々を回らされたことと、若干重い馬場を気にしていたことが敗因として上げられる。それでもゴール前では差し脚を伸ばしてきており、次走に期待の持てるレース内容ではあった。

重賞初騎乗となった若者(佐藤聖騎手)の果敢なチャレンジがレースの流れを決定づけた。そしてそんなアタックの影に勝ち馬が存在した今回のラジオNIKKEI賞。かつては「残念ダービー」とも言われたみちのく名物のこのレース。何もクラシックだけが全てではない。人馬ともに夏に鍛えそして秋に実る成長こそが精神的な強さを生み出す源といえるからだ。本物の逸材とはいつの時代も「夏」を境に生まれるものである。

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