2006/08/07

■8月6日(日)函館 函館2歳S(GIII)

夏の函館開催のフィナーレを飾る第38回函館2歳S(GV)が、6日函館競馬場で行われた。そんな2歳世代初となる重賞レースを制したのは、単勝7番人気の牝馬ニシノチャーミー。
開催最終日となったことから、4コーナーの蹄跡部では芝の裸地化がかなり進んでいたが、牝馬にしては強靭な脚力を持ったニシノチャーミーにとっては、むしろ力のいる馬場状態というものが勝因へと結びついたものといえる。

勝ち上がりが牝馬限定戦で時計も1:12.0(良)という平凡なものであったためか評価を落としていたが、多頭数競馬(14頭立て)で馬ごみを経験した強みが経験の浅い2歳重賞戦で生きたものと考えられる。レベルの上がった重賞戦で1:10.3とワンランク上の走りを見せたニシノチャーミーの潜在能力は高い。中団から押し上げていった脚にも見るべきものがあり、血統背景から早熟な面は否めないのだが今後の活躍に期待したい牝馬である。

尚、1番人気で14着に敗れたエーシンダームスンの敗因だが、初戦で見せた好位からの競馬というよりも、ハナを主張する形となったことが走りのリズムを狂した要因。4コーナーでローレルゲレイロ(2着)に早めに来られたことも敗因の1つであろう。それに、レース間隔が中6週とあいてしまったことが若駒に微妙に影響したものとも考えられる。410キロそこそこと馬格のない牡馬ゆえに、精神面を含めた今後の成長を待ちたい馬である。

注目されたコスモバルクと同じビッグレッドファームの外厩馬:インパーフェクト(6着)は、終始追走に苦しむようなシーンがあり速い脚に若干欠けていたことが敗因。前走のラベンダー賞の前半3ハロン33秒7は今年の函館2歳戦での当時の最速ラップでもあり、前哨戦のラベンダー賞は展開が向いての勝利ではなかったか。それでも、筋肉の柔らかそうな張りのある馬体と、頬骨から首さしにかけてのラインは父ナリタトップロード譲りのもの。父が経験した最短距離は1800m(きさらぎ賞)でもあり、経験を積んで中長距離でのレースでどう変わっていくか注目したい馬である。

着順だけが全てではないこの時期の2歳戦。このレースで完成した現時点の2歳馬の勢力図が、今後どのように変貌を遂げていくものなのか注目していきたい。今始まった2歳馬の重賞ロードはこれからが本番なのだ。

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2006/08/07

■8月6日(日)新潟 関屋記念(GIII)

真夏の高速マイルで知られる伝統の第41回関屋記念が6日新潟競馬場で行われた。レースを制したのは約3年間勝ち星から見放されていた7歳馬のカンファーベスト。14番人気という低評価に反発するかのような鮮やかな快勝劇であった。レース前半は掛かりぎみでレースを進めるも、3コーナーを過ぎてから落ち着きを取り戻したことが1つの勝因。直線で仕掛けられると好反応で瞬発力を繰り出し、ダイワバンディット(2着)を完全に置き去りにした。元々は折り合いに不安のある馬で、マイル路線へ矛先を向けてきた陣営の選択にも冴えがあったといえる。

これで新潟芝コースでは「1、3、0、2」となり、暑さに強い体質を含め新潟芝コースへの高い適正が勝てた大きな要因といえる。また、2着となったダイワバンディットも、新潟の新馬>ダリア賞>新潟2歳S(GV)と夏の新潟でデビュー3連勝を飾った典型的な夏馬であった。昨年の関屋記念では休養を挟んでいたためか13着に大敗していたが、全3勝が新潟という巧者ぶりはこの夏も健在であった。

1番人気のテレグノシスだが、約1秒ほど遅くなったペースにより中団でレースを進めるも、それが逆に裏目に出てしまいスムーズに外に出せずに3着に惜敗。自身は最後伸びてはいるが往年の決め手に衰えを感じさせるレース内容ではなかったか。敗因は58キロという斤量というよりも、得意としていた長い直線を力強く駆け抜ける「末脚の持続力」が低下しているように感じられた。それでもブラックホーク、トロットサンダーといった名馬が旧8歳にして安田記念(G1)を制した例もあり、また見限るのも早計か?

通常のマイル戦では「2ハロン目」のラップがレースの流れを決定づけることとなる。それは2ハロン目あたりで各馬に加速力がつき、ポジショニング争いが激化するためである。そのため重賞のマイル戦であるならば10秒台で流れることが多いのだが、今回の関屋記念での2ハロン目のラップは11秒0。これはつまり、レースが完全なるスローペースだったことを意味する数字でもある。逆にラストの2ハロン目は、「10秒1」という凄まじい上がりタイムが刻まれているのだ。いくらスローペースのマイル重賞とはいっても、最後の2ハロン目にこんな数字が出ることは驚愕である。

そんな乗り役のペース判断が鈍るのにも原因は確かに存在している。それは、新潟のコース形態がもつマイル戦の難しさである。外回りのマイル戦では2つのコーナーがあり、コーナー部分が約400mしかない。言うならば1200mもの直線部分で構成されている特異なコース形態なのである。つまり、乗り役が長い直線部分を意識するあまり、スローペースはあっても、ハイペースはないという特殊なコース事情も持つ舞台なのだ。まさにそんなコース形態がもたらした今回の関屋記念(スローペース)ではなかったか。

レースは典型的な関東の夏馬2頭による波乱決着。夏競馬が進む中、季節競馬に実績を持つ暑さに強い体質というものが、完全にレースの勝敗をも決定づけるようになってきた8月の競馬開催。夏競馬真っ只中、熱い競馬はこれからがピークを迎える。

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