2006/08/29

■8月27日(日)札幌 キーンランドC(GIII)

サマースプリントシリーズの第4戦でもあり、今年から新設された夏の短距離重賞であるキーンランドC(GIII)が27日良馬場の札幌競馬場で行われた。サマースプリントシリーズの第1戦にあたる函館スプリントSの1〜3着馬が揃って参戦し、初代シリーズチャンプを占う意味でも大変注目されたレースとなった。

そんな新設されたスプリント重賞を制したのは、単勝4番人気に支持されたチアフルスマイル。2004年の八雲特別を勝って以来、約2年ぶりとなった1200m戦での重賞初制覇。これで全8勝中5勝を北海道で挙げる洋芝巧者ぶり。勝ちきれないレースが続いていたが、この勝利で停滞気味の短距離路線に短距離の差し馬が一頭加わった。

レースは逃げたモアザンベストの直後に、早々と1番人気のシーイズトウショウがつける展開。直線に向いても手ごたえよく馬場の真ん中から一旦は先頭に踊り出たシーイズトウショウであったが、外から徐々にポジションを上げてきたチアフルスマイルの決め手(上がり33秒9)に完全に屈した格好。尚、3着には直線で内に入れて行き場を失っていた2番人気のビーナスラインが、上がり33秒8の末脚で最後の1ハロンで馬群をこじ開けて入ってきた。スプリント戦であるので1000m、つまり残り1ハロンの通過タイムは56秒6。最後の1ハロンが11秒8かかっていたことから考えると、やはり先行していたシーイズトウショウには、厳しい流れだったといえる。

チアフルスマイルの隠れた勝因には鞍上:岩田康騎手の見事な手綱捌きも関係している。馬群に怯まない強気な騎乗スタイルというものが、ゴール前での僅かな差につながっているように見て取れるからだ。現在、札幌りーディングをひた走る岩田康騎手の絶妙な手綱捌きは今後も注目される。

開幕週には2つのレコードが出るほど、高速決着が目立つ今開催の札幌芝コース。中央場所の開催を通じても、素直にスピードを競うレースというものが不足しがちな番組構成。そんな意味からも、夏競馬における高速馬場でのスプリント重賞というものはタイムリーな新設ではなかったか。サマースプリントシリーズも4戦を終了し、ビーナスラインが14ポイントでトップに立った。その最終戦はGIIに昇格したセントウルS(9月10日 中京芝1200m GII) を残すだけ。今年は阪神競馬場が改装中のためセントウルSは中京競馬場で行われるが、中京得意のシーイズトウショウにとっては絶好のチャンス。しかし、中一週で重賞を使うには負担も大きい。サマースプリントシリーズの初代王者の座か?それともスプリンターズS(10月1日 中山 芝1200m GI)を目指すのか?陣営の今後の動向が大いに注目されるところである。いずれにせよ、初代シリーズチャンプの行方は最終戦へと持ち越された。

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2006/08/29

■8月27日(日)新潟 新潟記念(GIII)

サマー2000シリーズの最終戦であり、夏の新潟開催の名物重賞にあたる第42回新潟記念が27日良馬場の新潟競馬場で行われた。今年のレースを制したのは、単勝6番人気に支持されたトップガンジョー。これで休養前に制したエプソムC(GIII)に続いての重賞連覇となった。

今年のレースは、1000mの通過が58秒3。コーナーによる減速がないことを考えると平均ペース。いつもより後方に待機したトップガンジョーであったが、直線に向くと外ラチ沿いを上がり33秒9の末脚で突き抜けた。ラスト2ハロン目のラップは10秒6という非常に速いタイムが記録されていたが、それも残り400mで先頭に立ったトップガンジョーが計時したものとなれば、追いすがる他馬には厳しいレース展開であった。さすがに最後1ハロンでは12秒4と時計を要し、51キロという軽ハンデのサンレイジャスパー(2着)に詰め寄られたが、それでもクビ差凌いでの強い勝ち方であった。

休養明け、そして57キロというハンデを考えると役者が一枚上の存在であったといえる。尚、3着には昨年と同じく実績馬のヴィータローザが入り重賞3勝の底力を見せつけた。1番人気でレースを向かえたスウィフトカレントだが、後方15番手から末脚勝負に徹するも、勝ち馬からコンマ2秒差及ばずの4着に敗れた。それでもポイントの加算により、初代サマー2000シリーズの栄えあるチャンピオンの座に輝いた。

ラスト3ハロン目から急加速し、ラスト2ハロン目で10秒6という速い脚を使い追走馬に脚を使わせたのちに、最後1ハロンでは12秒4と時計を要しながらも粘りこむというのがトップガンジョ−のレーススタイル。これは、前走のエプソムCで学んでいた後藤浩輝騎手の戦術ともいえる騎乗。それが日本一長い新潟外回りコースの直線でも如何なく発揮された勝利といえよう。マヤノトップガン産駒でもあり、長距離のロングスパートが持ち味である父のスタミナを受け継いだようにも見えるが、中距離で速い脚が長く使える馬といっていい。これで大目標は秋の天皇賞(10月29日 東京 芝2000m GI)となる。トップガンジョーにとっては、父が果たせなかった(96年バブルガムフェローの2着)秋の天皇賞制覇の夢に期待がかかる。

これまでは開催場ごとに単発で行われていた夏のローカル重賞だが、「サマーシリーズ」と題してシリーズ化させた夏競馬の方向性には賛同している。しかし、暑い夏に輸送とレースを繰り返した主役の馬達には、心から「お疲れさま」と労いの言葉をかけてあげたいと思う。

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