2006/09/11

■9月9日(土)中京 朝日チャレンジC(GIII)

秋の天皇賞(10月29日 東京 芝2000m GI)を最大目標にしている馬達が集結した伝統の第57回朝日チャレンジCが、9日開催初日の中京競馬場芝コースにて行われた。レースを制したのは単勝7番人気の伏兵トリリオンカット。外国産馬であるトリリオンカットは、3歳時、京都新聞杯4着、菊花賞8着と健闘したが、その後は長い時間をかけて条件戦からオープンまで上り詰め、33戦目にして手にした念願の重賞初制覇。

レースは、スタートで一旦はメジロマイヤーにハナを譲った1番人気のコンゴウリキシオーであったが、2コーナーに差し掛かると、早くもメジロメイヤーを交わして先頭に立つ。前半3ハロンは35秒フラット。先頭に立つまでに時間を要したからかさほど速いペースではなかったが、そこからが今期のコンゴウリキシオーの真骨頂。4ハロン目と5ハロン目は12秒台と一息入れ、ラスト残り5ハロンは全て11秒台を刻むという何とも味のあるスピードの緩急であった。

直線では必死に粘りこむコンゴウリキシオーと、終始3〜4番手を進み進出してきたトリリオンカットとの非常に密度の濃い見ごたえのある追い比べが展開されたが、ゴール寸前でトリリオンカットがコンゴウリキシオーをクビ差交わして勝利した。勝ちタイムはレコードにコンマ1秒差の1分57秒4と極めて優秀な走破時計であった。コンゴウリキシオーのハイラップに引っ張られたのも事実だが、能力がなければ叩き出せるタイムでもなく、徹底的に一番人気馬をマークして、厳しい流れの中を自らの力で果敢に前を捕らえにいった完勝といえる。

惜しくもクビ差2着に敗れたコンゴウリキシオーだが、レースの後半1000mの方が前半を1秒5凌いでおり、それもマーペースでもなかった同馬が刻んだラップとならば、その強靭な脚力と心肺機能には今後も目が離せない。今回は早めに動いたタイガーカフェに絡まれたことも誤算であったが、秋のG1シーズンに期待を抱かせる十分なレース内容であった。

勝ったトリリオンカットを管理する音無厩舎だが、前日8日に厩舎の看板馬であるリンカーンの屈腱炎による引退を発表していただけに、実にタイミングのいい僚馬リンカーンの後継誕生となった。芝中距離路線の既存勢力を脅かす馬が、また一頭新たに誕生したレースとなった。

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2006/09/11

■9月10日(日)中山 京成杯オータムH(GII)

秋競馬の訪れを告げる第51回京成杯オータムハンデが、10日開幕週の中山競馬場芝コースで行われた。開幕週の絶好な馬場コンディションを見方につけてレースを制したのは、単勝10番人気の伏兵ステキシンスケクン。前半から楽に先手を奪ったステキシンスケクンが、後続に影をも踏まさない鮮やかな逃走劇で、ゴール前猛追したカンファーベスト(2着)をハナ差制しての勝利。これでアーリントンCに続きマイル重賞2勝目のタイトルを手にした。

鞍上の後藤浩輝騎手は、トップガンジョーで制した新潟記念(GIII)に続くJRA重賞制覇で今年3勝目(通算34勝)。管理する森秀行調教師は、スウィフトカレントで制した小倉記念(GIII)に続く今年のJRA重賞3勝目で、通算34勝目となった。尚、3着には2番人気マイネルスケルツィが入り、1番人気のインセンティブガイは14着に大敗した。

ステキシンスケクンのレースぶりだが、4角先頭の競馬では4戦のうち勝ち鞍の全てにあたる3勝を挙げており、ここ3戦早め先頭という自分の競馬が出来なかったことが、凡走を繰り返していた要因と判断出来る。状態の方も先週に坂路で50秒3という時計を出しており、レースでも前脚を投げ出すような独特なフォームが戻っており、完全復活を告げる今回の完勝劇ではなかったか。絶好の馬場コンディションも手伝って最後まで11秒台の二枚腰を発揮した3歳の逃げ馬を称えたい。

惜しまれたのは2着のカンファーベスト。中団からレースを進め、メンバー最速タイの上がり(34秒3)で追いすがるもハナ差届かず惜しくも涙をのんだ。前走の関屋記念で自身始めて経験した芝マイル戦を鮮やかに制し、芝マイル2走目にあたる今回もあわやの快走。7歳にしてマイル路線に活路を求めた陣営のジャッジには頭が下がる思いである。

このレースの走破タイムも、中山開催に限れば、01年の勝ち馬ゼンノエルシド(1分31秒5)に次ぐ1分32秒0。開幕週で前の止まらない馬場とは言え、3歳馬による堂々たる走破時計といえよう。開幕週の絶好な芝コンディションが演出するスピードの競演というのも実にスリリングである。

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