2006/09/18

■9月17日(日)中山 セントライト記念(GII)

菊花賞(10月22日 京都 芝3000m GI)のトライアルとして行われた第60回セントライト記念(GII)が17日良馬場の中山競馬場芝コースで行われた。菊花賞のトライアルレースという背景とはうらはらに、近年では出走権利を得ながらも距離を意識して芝中距離路線へと向かう馬達も多い。そんな今年のレースを制したのは、単勝12番人気という伏兵トーセンシャナオー。終始2番手を進み直線に向くと逃げたニシノアンサー(7着)を一気に交わし、追いすがるトウショウシロッコ(2着)らを完封した。

佐賀のダート交流競争で1勝を挙げただけの格下馬であったが、中央の初勝利が芝のGII戦というなんともトリッキーな勝利であった。しかしながら、3月の若葉Sでは、今回人気を集めたフサイチジャンクとコンマ1秒差の3着という実績もあったことから、能力は秘めていた馬だといっていい。コンスタントに使われていた馬がマイナス20キロでの出走ということで馬体細化の影響も懸念されたが、直線での粘り腰からも今回の438キロあたりがこの馬のベスト体重に近い数字といえる。尚、断然の1番人気に支持されたフサイチジャンクだが、後方からレースを進め、徐々にポジションを上げ見せ場はつくったが、直線で伸びきれず6着に敗れた。

このレースでは4角でマツリダゴッホ(蛯名)とネヴァブション(石橋脩)の落馬事故があり、人気のフサイチジャンク(6着)やキストゥへヴン(5着)などは落馬のあおりをもろに受けてしまった格好。マツリダゴッホが勢いよく動き出した4角手前で腰が落ちるように体制を崩し蛯名騎手が落馬。その影響によりネヴァブションの石橋脩騎手も落馬してしまった。加速し始めていた勝負どころでの落馬事故がもたらしたレースへの影響は多大であった。落馬事故の内外で影響を受けたフサイチジャンクとキストゥへヴンだが、なんとか体制を立て直し直線では脚を見せたが、流れに乗った勝ち馬に迫るところまでは至らなかった。4角ではその後ろに位置していたテンシノゴールド(4着)がメンバー最速の上がり(35秒6)で、外からフサイチジャンク、キストゥへヴンを交わしており、落馬事故の影響がなくとも勝ちきるには厳しいレースではなかったか。

勝ったトーセンシャナオーのもうひとつの勝因に騎乗したニュージーランドのリース・イネス騎手の巧みな手綱捌きもあった。昨年も来日しているニュージーランドの中堅騎手(27歳)だが、日本での初勝利がこちらもGII戦という快挙であった。オセアニアの騎手特有の積極的な騎乗法というものが、先行脚質のトーセンシャナオーを勝利に導いたといってもいいだろう。今後は菊へと向かう馬、そして路線変更を打ち出す馬など、陣営の選択にも注目が集まるところである。

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2006/09/18

■9月17日(日)中京 ローズS(GII)

今年は中京競馬場で行われた秋華賞トライアルの第24回ローズS。レースは桜花賞2着のアドマイヤキッス(武豊)と、オークス2着のフサイチパンドラ(福永祐一)がそれぞれ1,2番人気に支持される一騎打ちムードの中で行われた。そんな今年のレースを制したのは、単勝1番人気に支持されていた武豊のアドマイヤキッス。終始内目の経済コースでレースを進め、徐々にポジションを上げながら、4角5番手から鮮やかに内をすくっての快勝劇であった。春当時は馬込みを避け外へと持ち出していた武豊だが、このレースでは意識的に馬を内に入れ我慢させる競馬のようにも見てとれた。

レース中盤から先手を奪ったシェルズレイ(2着)が、先行力を活かし後続に差を広げながらのレースであったが、4角で5馬身ほどあった決定的な差を直線で一完歩づつ詰めて勝利したアドマイヤキッスの非凡な決め手には驚嘆させられたレース。1分58秒2という勝ち時計も優秀で、一躍秋華賞(10月15日 京都 芝2000m GI)の最有力候補へと躍り出たといってもいい。尚、人気を分け合ったフサイチパンドラだが、終始2番手を追走したが直線で伸びきれず3着に敗れた。道中は口を割る仕草を見せていたことからも、課題とさせている折り合いに若干不安の残るレース内容であった。それに蓄膿症の手術明けであったことと、レースの前半3Fが33、5秒、1000mの通過が58、3秒というハイペースであったことも敗因の1つに挙げられる。それでも厳しい流れを自ら演出したシェルズレイが半馬身差の2着に対して、勝ち馬から4馬身半遅れてしまったフサイチパンドラのレース内容には少なからず不満が残った。

結果から春の既存勢力が新興勢力を封じた今年のローズS。直線の短い中京で見せたアドマイヤキッスの差し脚は1頭だけ別次元のものであった。ローズSを向かえる前までは、上がりタイムで35秒を切ったことのないアドマイヤキッスが、自身初となる34秒5という末脚を見せつけローズSを制した。この勝利を成長と呼ばずしてなんと呼ぼう。秋本番、1番強い馬が勝つと言われる秋華賞の主役は完全にその舞台を射程に入れた。

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