2006/10/02

■10月1日(日)中山 スプリンターズS(GI)

今年は終了したサマースプリントシリーズの余韻も覚めやらず、グローバル・スプリント・チャレンジの第6戦(全7戦)という冠もついていたことから、大変注目度が高まったスプリンターズS。そんな今年のレースを制したのは、現在グローバル・スプリント・チャレンジのトップをひた走る馬で、シリーズチャンプに確定の赤ランプを点すためにも本気で勝ちにきた豪州のテイクオーバーターゲット。単勝1番人気に見事に応えた圧倒的な勝利であった。

レースは前半からテイクオーバーターゲットと、サイレントウィットネス、ステキシンスケクンといった外枠の馬がハイペースで引っ張る激流であったが、勝ったテイクオーバーターゲットは直線に向いても脚色1つ乱れることなく、逆に追いすがる後続との差を広げての圧倒的なパフォーマンスであった。2着に粘ったメイショウボーラーに2馬身半というスプリント戦においては決定的な差をつけての完勝劇。雨の影響もあり勝ちタイムこそ1分8秒1と平凡なものであったが、絡まれながらも自らが演出した前半32秒台のハイラップを耐え凌いでの勝利だけにその価値は極めて高いものであったといえる。

尚、3着には最低人気の3歳馬タガノバスティーユが後方から内をすくいメンバー最速の上がり34秒3の脚で追いすがったが、ゴール前3着に上がるまでが精一杯の競馬であった。日本馬の中ではサマースプリントシリーズを制し、単勝でも2番人気に支持されていたシーイズトウショウの走りに注目が集まったが、直線の急坂で伸びることなく8着に敗れた。やはりサマースプリントシリーズの初代王者を目指し、中1週で勝ちにいったセントウルSの疲労と、もともとは苦手としている中山の急坂がこたえた格好ではなかったか。

今回のテイクオーバーターゲットの勝利をうけて、オセアニア馬が持つタフネスさにはあらためて驚嘆させられた。7歳にしてあのスピードと心肺機能というものは、日本馬にはない類まれな競争能力だといえる。骨格がしっかりとした強靭な腰の筋肉から繰り出される圧倒的なスピードは、鍛え上げられたサラブレッドの姿というものを我々に強く印象づけた。あのタフネスさは日頃から培われているトレーニングの集大成だといえるもの。豪州競馬に学ぶべき課題もまだまだ多いことを実感させられた今回のレースではなかったか。

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2006/10/02

■9月30日(土)シリウスS(GIII)

今年は中京競馬場で行われたシリウスS。芝重賞でも活躍しながらダートに活路を求めてから快進撃を続けているメイショウバトラーと、前走の阿蘇Sで昭和44年にタケシバオーが樹立したレコードを37年ぶりに更新したサンライズキングの参戦に注目が集まった。そんな今年のレースを制したのは、単勝2番人気に支持されていたメイショウバトラー。牝馬にしてプラス24キロという大幅な馬体増での出走であったが、抜群の手ごたえから余裕をもって直線で抜け出すというまさに横綱相撲であった。

レースは逃げて結果を残しているサンライズキングがハナを奪ったが、同型トラストスターが絡んでモエレトレジャー、ワンダーハヤブサらも直後につける逃げ馬にとっては厳しい展開。決して速い流れではなかったが、マイペースの単騎逃げとは異なり、先行勢から常に執拗なマークを受けながら走るというプレッシャーを感じる流れ。4角では逃げた人気のサンライズキングの手ごたえが早々と怪しくなり、抵抗する余力すら残っていない状態でズルズルと14着まで沈んでいった。前走レコード駆けの反動に加えて、徹底マークにあった今回の厳しい流れというものが、逃げたサンライズキングに必要以上の消耗を課したものと考えられる。

そんなレースの流れを見方につけたのは、勝ったメイショウバトラーである。こちらは先行集団の直後、内々の経済コースを走り、精神的にタフで馬群を苦にしない持ち味が最大限にレースで活かされた勝利となった。直線で抜け出してからも安定した脚力を見せつけ、2着ツムジカゼに1馬身半差をつけてダート重賞3連勝を飾った。父にメイショウホムラをもつJRA所属馬は極めて少ないのが現状。父が最優秀ダートホースに輝いた93年にはまだダートのG1すら存在していなかったが、現在ではダート路線も着実に整備され、またその価値も高まってきている。ダートで10勝を積み重ねた砂巧者の貴重な後継として、メイショウバトラーの今後にはよりいっそう注目が集まるところである。

メイショウバトラーの次走は交流GIのJBCマイル(11月2日 川崎 ダート1600m)が予定されており、ダートの頂点を目指した本当の戦いは今ここから始まったといっていい。 

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