2006/10/16

■10月15日(日)京都 秋華賞(GI)

本当に強い馬が勝つと言われる3歳牝馬のGI秋華賞。今年は桜の女王キストゥへヴンや樫の女王カワカミプリンセスに加え、桜2着のアドマイヤキッス、樫2着のフサイチパンドラらも順調に夏を越し、有力視されていたほとんどの馬が秋の淀に顔を揃えた。そんな今年のレースを制したのは、無敗でオークスを制した単勝2番人気のカワカミプリンセス。

レースは大外枠からトシザサンサン、コイウタが強引に引っ張る縦長の展開。1000mの通過が58秒4という極端に速いペースとなった。勝ったカワカミプリンセスは中団の内目に待機しながら除々に前との差を自力で詰めにかかる。半ばオークスと同様に消耗戦となったレースの中、カワカミプリンセスの持ち味である勝負根性というものが、ここから他馬を勝ることになる。直線に向き一完歩づつ先頭を捕らえにかかると、スパッと斬れる脚ではないが重厚感に満ち溢れた我慢強い走りを見せ、上がり34秒4(それでもメンバー最速タイ)の脚力で、アサヒライジング(2着)を半馬身差競り落とした。

3着にも中団で内に控えていたフサイチパンドラが入り、終始内目に待機していた馬達による上位独占となった。奇しくもオークスとほぼ同じ展開で、オークスとほぼ同じ着順(結果)となった。残念だったのは1番人気に支持されていたアドマイヤキッス。中団のやや後ろを追走し、4コーナーで外に持ち出し終いの斬れに賭けたのだが、追走に幾分脚を使わされた分終い伸び切れなかった。消耗戦のレースで斬れ味勝負の馬が敗れ去る典型ともいえるレース展開となってしまった。

それにしてもカワカミプリンセスに騎乗した本田騎手の終始追いどおしの姿が印象に残った。休み明けのせいか反応の鈍さはあったものの、グイグイとアサヒライジングに迫った脚は絶対能力の違いとさえいえるもの。これで5戦5勝。無傷のオークス、秋華賞馬が秋の淀に誕生した。次走はエリザベス女王杯(11月12日 京都 芝2200m GI)で古馬に挑むことになるが、古馬の代表格であるスイープトウショウ、ダンスインザムード不在のメンバーなら、無敗のままエリザベス女王杯さえ制してしまう可能性も高い。

果たしてどこまで強いのか?カワカミプリンセスの華やかなプリンセスロードはこれから始まろうとしている。

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2006/10/16

■10月14日(土)京都 デイリー杯2歳S(GII)

来年のクラシックを占う意味でも重要視されている出世レース、デイリー杯2歳Sが14日良馬場の京都競馬場芝コースで行われた。秋の深まりとともに、中央場所開催にも本格的な2歳馬によるクラシックロードの幕があけた。そんな今年のレースを制したのは、単勝1、3倍という圧倒的な支持を受けていた武豊騎乗のオースミダイドウ。

レースは1000mの通過が59秒3という平均ペース。新馬、オープンと逃げて勝ってきたオースミダイドウは、今回は前には行かず中団からの競馬でレースを進めた。しかしながら初めて経験する控える競馬に抵抗するかのように、頭を上げ折り合いに苦心する武豊の騎乗となってしまった。何とか馬をなだめてラスト3ハロンの攻防へと持ち込んだ武豊。しかしここから桁違いの能力を馬が見せることとなる。終始包まれぎみで馬群が開かず、内に切れ込もうとした武豊であったが、さらに閉ざされた進路を察知し素早く外へと持ち出すと、11秒1という強烈な決め脚でオースミダイドウが応えた。行き脚のついた勝負どころで一度は減速し瞬間的な進路変更を余儀なくされながら、リスタートから果敢に前を捕らえたオースミダイドウの競馬は2歳馬に出来る芸当ではなかった。

2着となった2番人気ローレルゲレイロとはわずか半馬身という着差であったが、これほど着差が意味を持たない絶対能力の違いというのも珍しいレースであったといえる。最後の直線で前を捕らえにかかったオースミダイドウの迫力ある走りには、既にクラシックを意識させてくれる圧倒的なオーラが立ち込めていた。クラシック戦線の中心的存在になっていくためには、高い学習能力とそれを実戦に応用できる柔軟さが要求されてくるわけだが、2歳秋の時点で既にここまで対応が可能となる馬も正直少ない。騎乗を終えた武豊がオースミダイドウの背中で感じたものは果たして何であったのか?そんなことにも興味を抱いてしまう今回のオースミダイドウの圧勝劇であった。

来春のクラシックに向けての1つの基点ともいえる今回のデイリー杯2歳ステークスであった。

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