2006/11/27

■11月26日(日)東京 ジャパンカップ(GI)

ディープインパクトとハーツクライの再戦に加えて、今年は2度目の欧州年度代表馬に輝いた英国ウィジャボードの参戦もあり大いに注目された第26回ジャパンカップ(GT)が、26日良馬場の東京競馬場芝2400mを舞台に行われた。レースを制したのは単勝1番人気に支持されていた武豊騎乗のディープインパクト。無念の失格となった凱旋門賞での汚名を見事に晴らす圧勝劇であった。

レースはコスモバルクが先手を奪い、トーセンシャナオー、そしてハーツクライが続く展開。そんな中、武豊とディープインパクトは道中最後方に位置していたが、勝負どころの4コーナー手前から仕掛け、直線入り口では大外から7番手までポジションを上げ前に迫った。直線では先行勢が早めに脚をなくす中、内目からドリームパスポートが抜群の手ごたえで抜け出しをはかったが、外から飛ぶようにディープインパクトが一気に交わし去った。前半の1000mは61、1秒というスローな展開であったが、最後方からまとめて差しきったディープインパクトの力は、やはりこのメンバーでも抜けていたといえる。上がり3ハロンの数字でも、レースの上がりをコンマ8秒凌ぐ33秒5の決め手を見せており、結果だけではなくレース内容全てにおいて大きく他馬を上回った勝利であった。

単勝2番人気に支持されていたハーツクライだが、4コーナー手前で早々と手ごたえが怪しくなり、直線に向くとズルズルと後退してしまった。この中間にレースの結果に対して言い訳したくないという気持ちから橋口調教師が「ノド鳴り」の症状があると発表したハーツクライ。結果、勝ったディープインパクトから遅れること2秒6差という大差にて10着にまで沈んでいった。信じがたいハーツクライの大敗に言葉をなくしたのは筆者だけではないだろう。敗因の分析と立て直しをはかってのハーツクライ本来の走りが待たれる。

尚、直線で一旦は先頭に立ったドリームパスポートであったが、持ち味である相手なりに走れる渋太い末脚を十分に発揮し最後まで食い下がったが、ディープインパクトに2馬身及ばず2着に敗れた。それでも見せ場十分のレース内容で、現3歳世代トップの力量馬であることをあらためて示したレース内容であった。3着にはディープインパクトに次ぐ33秒9の上がりで追い込んだ英国のウィジャボードが入り、欧州競馬の底力の片鱗を十分に伺わせてくれた競馬内容。

実況にもあった「勇気の翼を一杯に広げてディープインパクト!」という言葉。あの悪夢の取り消しからのリスタートがこの勝利から鮮やかに始まったといっていい。世界の頂点を目指す本当の戦いはこれからである。強いディープインパクトはさらに進化を遂げた。

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2006/11/27

■11月25日(土)東京 ジャパンカップダート(GI)

昨年の覇者カネヒキリは戦線離脱中。そして一昨年の覇者であるタイムパラドックスも直前での骨折。ましてや今年は外国馬の参戦もなく、若干メンバーが寂しくなった第7回ジャパンカップダート(GT)が、25日良馬場の東京競馬場ダート2100mを舞台に行われた。今年のレースを制したのは、4連勝で迎えた重賞初挑戦がいきなり古馬GTとなった単勝7番人気の伏兵アロンダイト。

レースは内からメイショウバトラー、フサイチリシャールが引っ張る流れ。そんな中勝ったアロンダイトは中団で終始内目の経済コースを選択し、レースの流れに完全に乗れていたことが勝因として挙げられる。勝負どころの3〜4コーナーでも、アルファフォーレスが外を周って仕掛けぎみに進出してきたが、勝ったアロンダイトはそんな仕掛けぎみの馬の動きにも惑わされることなく、コーナーワークを利してロスなく最後の直線を迎えた後藤騎手のコース取りの判断にも冴えがあった。

直線の攻防でも、先行勢が脚をなくすと見るや、道中は4〜5番手に控えていた1番人気のシーキングザダイヤ(2着)が、満を持して絶妙なタイミングで追い出しを開始した。内からはアロンダイトが懸命に脚を伸ばしていたが、その脚色は断然シーキングザダイヤが勝っているように見えた。しかしながら、フットワークだけでは計り知れない540キロを超えるアロンダイトの雄大な馬体から繰り出される脚力は、ジリジリとシーキングザダイヤに迫り、残り200m地点で堂々と先頭へと躍り出た。シーキングザダイヤに追いすがる脚は残っておらず、そのままシーキングザダイヤにコンマ2秒差をつけて、アロンダイトはジャパンカップダートのゴールを先頭で駆け抜けた。

その瞬間、ダート界における新ダート王が誕生した。未勝利戦から5連勝でG1を制覇。勝ちタイムも持ち時計(2分13秒1)を大幅に更新する2分8秒5。レコードにこそ及ばなかったが、過去の勝ち馬達が残した走破タイムと全く遜色のない立派な勝ち時計であった。これで東京ダート2100mという条件では3戦3勝。番組が少ないレース条件ではあるが、そこに照準を定めて距離を意識して使ってきた陣営の判断も素晴らしいものであったといえる。尚、2着したシーキングザダイヤだが、これでダートG1戦で9回目の2着となってしまった。それでも、2着したそれぞれのレースの内容は非常に濃いものばかりで、勝てなかった2着ではなく、勝ちに等しい2着として評価してあげたい。

奇しくもカネヒキリやアジュディミツオーのいないダートの頂上決戦にて、3歳の新ダート王は華やかにそのベールを脱いだ。父にエルコンドルパサーを持つ若い血は、果たしてどこまでダート界を制圧できるのであろうか?いずれにしても、低迷ぎみのダート路線に若いスターホースが誕生したといっていい。

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