2006/12/04

■12月3日(日)阪神 阪神ジュべナイルF(GI)

新装となった阪神競馬場のオープニングを飾ったGI:阪神ジュべナイルFが3日良馬場の阪神競馬場芝外回りコースで行われた。今年の2歳女王の座に輝いたのは、単勝4番人気に支持されていた四位騎手騎乗のウォッカ。道中では中団に控え、直線では先に抜け出した1番人気のアストンマーチャン(2着)をゴール寸前で捕らえた差しきり勝ち。父:タニノギムレットから受け継ぐ強靭な骨格から繰り出された脚力には、牝馬らしからぬ力強さが満ち溢れ、まさに完勝といっていい今回のレースであった。

尚、断然の1番人気に支持され2着に敗れたアストンマーチャンだが、好スタートから好位で折り合い、直線馬なりのまま早め先頭に踊り出ながらのクビ差惜敗。直線半ばまで追うことなく抜群の手ごたえでレースを進めていた武豊アストンマーチャンであったが、後ろから迫ってきた勝ち馬の大きなストライドの前に完全に屈した格好。それでもいざ追い出しを開始されると、自身も十分な伸び脚を見せており、敗因に距離への不安というものは当てはまらない今回のレース内容であったといえる。

3着にはレースを引っ張った2番人気のルミナスハーバーが早めに交わされながらも渋太い末脚で逃げ粘った。草丈が長く力強さが要求された阪神芝コースを舞台に行われた今回の阪神ジュべナイルF。 後方からレースを進め た単勝3番人気のハロースピードなどは、勝ったウォッカに次ぐ上がり(34秒3)を記録しながら6着に敗れており、どちらかというと先行馬有利となったレース展開。その中を中団からメンバー最速の上がり(34秒2)で前を捕らえきったウォッカの潜在能力は計り知れないものであったといえる。

例年この時期の2歳戦はスピード優先の競馬が多いが、新装阪神競馬場のオープニングを飾ったこの阪神ジュべナイルFの結果は、来春のクラシックへ直結する十分なものであったといえる。ウォッカを頂点とした2歳牝馬の勢力図がこれからより具体的に彩られていくこととなる。来春を意識した陣営の逆算は既に始まっているのだ。

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2006/12/04

■12月2日(土)中山 ステイヤーズS(GII)

人馬の呼吸と本質的なステイヤーとしての資質が問われるJRA平地最長距離重賞:第40回ステイヤーズSが、2日開幕週の中山競馬場芝3600mを舞台に行われた。今年のレースを制したのは、オリビエ・ペリエ騎乗で断然の1番人気に支持されていたアイポッパー。好スタートから終始3番手の外につけ、前の出方を伺うという理想的なレース運び。3コーナー手前から仕掛けぎみに各馬が動く中、絶好の手ごたえのまま直線入り口を迎えたアイポッパーが、逃げたメジロコルセアを早めに交わし去り、後続の脚をも封じ込んだまさに完勝劇であった。

レースは1000mの通過が61、5秒という平均ペース。そんな流れを3番手からの競馬で直線入り口では早々と先頭に立つというステイヤーらしいレースぶりであった。自らがメンバー最速の上がり(35、3秒)の脚で、2着したトウカイトリックに3馬身差をつけ、そしてレース自体の上がりをコンマ5秒上回るという圧倒的なレース内容であった。重賞未勝利の身ながら重賞戦での好走歴は豊富な馬で、重賞ウィナーの仲間入りを果たしたこの勝利によってさらなる飛躍が見込める馬だといえる。

これで3年連続で外国人騎手がこのレースを制したことになった。また、このレースで2着したトウカイトリックの手綱をとっていたのもルメール騎手で、長丁場における外国人騎手の手綱捌きというものを、あらためて認識させられたレースであった。終わってみれば1、2番人気での決着となった第40回ステイヤーズS。しかしながら、勝ったアイポッパーと2着したトウカイトリックとの間にあった3馬身という着差に、着差以上の能力差を感じたファンも少なくないだろう。

アイポッパーにとっては重賞挑戦12度目にしての念願のタイトル。晩成型ステイヤーの素質が一気に開花した今回の勝利ではなかったか。自信をつけた晩成型ステイヤーの次走は、クリストフ・ルメールとのコンビで有馬記念(24日、中山、GI、芝2500m)が予定されている。スピードが優先されつつある近年の競馬事情ではあるが、晩成型ステイヤーが挑む今後の活躍には注目していきたい。

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