2006/12/11

■12月10日(日)中山 朝日杯FS(GI)

来春のクラシックを目指す2歳牡馬達による朝日杯FS(GI)が、10日晴れ良馬場の中山競馬場芝1600mを舞台に行われた。今年のレースを制し2歳牡馬の頂点に立ったのは、単勝2番人気に支持されていた蛯名騎手騎乗のドリームジャーニー。ゲートで立ち遅れ最後方からの競馬を余儀なくされてしまったが、慌てずに後方からレースを進め、最後の直線では凄まじい瞬発力を発揮し、前を行く馬達をまとめて差しきっての勝利。

416キロというコンパクトな馬格ながら、バランスのいい走りと強靭なバネから繰り出される驚異的な瞬発力に魅せられたドリームジャーニーの快勝劇であった。レース後の談話の中で、直線での手ごたえを聞かれた蛯名騎手からも、「軽く跳びましたね」と、ドリームジャーニーの類まれな瞬発力を称賛するコメントもあり、この勝利でクラシック候補のNO1的な存在へと躍り出たといっていい。

また、折り合いがつかずハナに立ってしまった1番人気のオースミダイドウだが、下見所からレース直前まで鞍下に激しい発汗が目立ち、異常にテンションが上がってしまったことによる3着惜敗。潜在能力には疑う余地のない馬で、成長と体質面の強化による今後に期待したい。尚、2着には道中3番手でレースを進め、直線馬場の真ん中から一旦は先頭に立った単勝7番人気のローレルゲレイロが入り、安定した渋太い差し脚の持ち主であることをあらためて印象づけた。

レースの上がり3ハロン(35秒5)を大きく上回るドリームジャーニーの34秒0という末脚。そして、余力さえ感じさせてくれた直線での弾む走り。苦心の騎乗が続いていた蛯名騎手を今期初となる重賞制覇へと導いたドリームジャーニーの決め手が次に捕らえるものは?先週の阪神JFを快勝したウォッカに続いて、2歳時の段階でクラシックを完全に意識出来る馬が誕生したレースとなった。現2歳馬によるクラシック戦線は、例年より早いペースで着実に進みつつある。12月にして来春が待ち遠しいとさえ感じさせてくれたドリームジャーニーの競馬であった。

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2006/12/11

■12月9日(土)阪神 鳴尾記念(GIII)

今年から阪神外回りコース1800mを舞台に行われることになった伝統ある第59回鳴尾記念が、9日良馬場発表ではあったが小雨の降りしきる阪神競馬場で行われた。今年のレースを制したのは、単勝1番人気に支持されていたオリビエ・ペリエ騎乗のサクラメガワンダー。レースはマルカシェンクが前半1000mを61,2秒で通過するスローな流れ。そんな中、勝ったサクラメガワンダーは道中内目の3番手で折り合う理想的なレース運び。直線に向きゴーサインが出ると前で逃げ粘るマルカシェンク(2着)を、ゴール寸前で鮮やかに差しきった勝利。

鞍上のオリビエ・ぺリエは、昨年の未勝利戦でも同馬とのコンビで勝ち鞍を挙げており、これで2度の騎乗機会でともに勝ち鞍を挙げるという相性の良さ。サクラメガワンダーの父:グラスワンダーは、97年に朝日杯を圧勝、そして98,99年に有馬記念連覇と、3年間にわたり冬競馬のチャンピオンホースであったこともあり、昨年同時期に3連勝を飾っている代表産駒のサクラメガワンダーも、父から受け継ぐ冬馬としての存在感を十分に示した今回の勝利ではなかったか。

尚、戦前の予想に反して先手を奪い2着に逃げ粘ったマルカシェンクも、復活に手ごたえを感じさせる十分なレース運びで、奇しくも昨年の同時期にクラシックの最有力候補に挙げられていた3歳馬2頭によるワンツー決着となった。3着にも後方から唯一脚を伸ばしてきたホッコーソレソレーが入り、終わってみれば新設された阪神外回りコースという舞台に相応しい1〜3番人気馬達による人気順の入線となった。

スローな流れであったが勝ちタイムは1分46秒9。そして実績馬による人気通りの決着からして、従来の荒れるハンデ重賞:鳴尾記念の面影は完全消え去ったといっていい。すべてが結果に結びつくものでもないが、夏競馬や冬競馬に代表されるようにサラブレッドの競争成績には季節というものが密接に絡んでいる。厳寒期の冬競馬はこれからが本番。馬の体質面も問われてくる難しい競馬の季節が続く。

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