2006/12/18

■12月17日(日)阪神 阪神C(GII)

今年から新設された阪神C。その賞金額は札幌記念と並ぶGII重賞最高賞金(1着賞金:7000万)ということもあり、マイル路線とスプリント路線から有力馬がこぞってここへと参戦してきた。栄えある初代優勝馬の称号を手にしたのは、単勝8番人気の伏兵フサイチリシャール(福永祐一)であった。好スタートをきると、外からマイネルスケルツィらを前々へと流し、自身は折り合っての中団待機というレース序盤での位置取りが、結果的にゴール前での脚につながった今回の勝利。

ここ2戦はダート路線へと矛先を向けていたフサイチリシャールであったが、デビュー以来最短距離となった今回の1400mという距離が、自身の持つスピードを最大限に後押ししてくれた結果ともいえる。勝負どころの直線入り口では、内外から寄られるシーンもあったが、瞬発力でその真ん中を鮮やかに突き抜けた。距離が問われたクラシック戦線では結果を残せず終わってしまったが、1400mという新たなる距離に活路を見出したことで、フサイチリシャールの今後がよりいっそう楽しみなものとなった。

残念だったのは中団から差し脚を伸ばした6番人気のプリサイスマシーン(安藤勝)。ゴール前では勝ったフサイチリシャールに急追したがクビ差及ばずの2着に敗れた。最後の直線で、もう少しスムーズに捌けていたらと思わせる残念なレース内容。尚、1番人気に支持されたコートマスターピースだが、前走同様に発馬で立ち遅れ9着にまで沈んでしまった。追走にも若干苦しんでいた面があり、1分20秒6という時計の速い決着に疑問が残った今回のレース内容ではなかったか。

近年ではスプリンターズSの開催時期の変更によって、スプリンターとマイラーの分極化が急速に進みつつある。阪神カップがこの時期に行われるのであれば、スワンS→マイルCS→阪神カップという短距離路線の新たなる王道が誕生することとなる。ファン心理としては、スプリンターとマイラーとの融合レースというものが理想であり、JRAが進めていくであろう今後のスプリント、マイル路線の整備には注目していきたい。

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2006/12/18

■12月16日(土)中京 愛知杯(GIII)

一昨年から牝馬限定戦へと変更され、ここ2年大きな波乱決着となっている第44回愛知杯が、16日曇り良馬場の中京競馬場芝2000mを舞台に行われた。そんなレース背景とは裏腹に今年のレースを制したのは、断然の1番人気に支持されていた武豊騎乗のアドマイヤキッス。レースは先手を奪ったスルーレートとファランドールがお互い譲らず、前半の1000mを59秒1というハイラップで流れたが、外枠から好スタートで3番手につけていたアドマイヤキッスが直線で早めに抜け出し、追いすがった3番人気のコスモマーべラス(2着)の猛追をコンマ2秒差凌いでの勝利であった。

GIロードを歩んできた疲労と、トップハンデにあたる56`という斤量が懸念されたが、そんな心配すら無用といえる今回の完勝劇であった。この秋にも同舞台のローズS(GII)を勝ち上がっており、これで中京芝2000mでは負けなしという相性の良さ。そんな観点からも舞台との相性というものが今回の勝因に大きく結びついたものといえる。

桜花賞ではキストゥへヴン、そしてオークス、秋華賞ではカワカミプリンセスの前に苦杯をなめてきたアドマイヤキッスではあるが、今年の牝馬3冠レースすべてにおいて1番人気に支持され続けた実力は、この勝利によってさらに厚みを増したこととなり、世代トップの実力馬であることをあらためて証明してくれた今回のレース内容ではなかったか。

尚、2着に入ったコスモマーべラスだが、今回は後方からレースを進め、4角10番手からメンバー最速の上がり(34,1)で勝ち馬に迫ったが惜しくも惜敗。それでも後方からのレースで、勝ち馬に迫った決め手には見るべきものもあり、逃げてよし、差してよしというこの馬の自在性は今後も注目される。

また、3着にも2番人気のソリッドプラチナムが差し脚を伸ばしてきており、終わってみれば着順こそ違うものの1〜3番人気馬達による堅い決着となった今年の愛知杯。ハンデ頭の人気馬にとっては、小回りコースにおけるハンデ戦という厳しい設定ではあったが、そんな悪条件をも掻い潜って結果を出せるか?というところに真の価値は問われていたわけで、この勝利によって来年以降の古馬アドマイヤキッスのさらなる飛躍が楽しみなものとなった。

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