2006/12/25

■ 12月24日(日)中山 有馬記念 (GI)

今年の中央競馬のフィナーレを飾る第51回有馬記念が、24日クリスマスイルミネーションに彩られた華やかな中山競馬場で行われた。そしてその舞台は名馬ディープインパクトの引退レースでもあった。数々の衝撃と感動を我々に与え続けてくれた一頭の名馬は、このラストランでも彼らしい衝撃を残し、最後の飛翔を鮮やかに成し遂げた。その勝利は単勝1.2倍、そして2着馬に3馬身差をつけるという圧倒的なラストフライトであった。

レースは大方の予測通りにアドマイヤメインが前半の1000mを59.5秒というハイラップを刻んで逃げた。そんな流れの中を前の馬との間隔を保ち、慎重に後方からレースを進めたディープインパクトと武豊。3〜4コーナーで各馬が仕掛けに入ると、後方に位置していたディープインパクトも自らハミを取り、あっという間に先行集団に取りついた。そこからはディープインパクトの独壇場である。武豊のたった1発のステッキに反応し、外から並ぶ間もなく前を行く馬達を交わし去り、その勢いのままに先頭でゴールへと飛来した。

その走りはレースの上がりを1.6秒上回る33秒8という驚異的な末脚であった。尚、2着には6番人気のポップロック(ペリエ)が内目でレースを進め、ゴール寸前でダイワメジャー(3着)を差して入線した。やはりコーナーが6つある中山芝2500mという舞台は、コーナーの出入り口付近でペースに強弱がつきやすく、体感時計や経験に勝る外国人騎手の手腕というものがあらためて浮き彫りとなった今回の2着ではなかったか。

また、3歳馬で人気を集めたドリームパスポート(4着)、メイショウサムソン(5着)は、それなりの脚は見せたものの、坂を駆け上がってからの一押しに欠けた今回のレース内容。その敗因には、菊花賞→ジャパンC→有馬記念という3歳馬にとっては厳しいローテーションが、微妙にレースに影響を及ぼしたものとも考えられる。

惜しまれつつ引退していく中央競馬会の至宝ともいえる名馬ディープインパクト。かつて、引退となるレースで、これほどのインパクトを与えて去っていった馬は存在したのであろうか?今が旬ともいえるディープインパクトの強さ。それは永遠に我々競馬ファンの心に深く刻まれることであろう。また、この一時代の終わりは新たなる時代のスタートでもある。現時点ではディープインパクトがいない来年以降の競馬というものが考えにくいが、ディープインパクトを1つの目標にした熱いホースマン達の今後に期待を寄せたい。

何より、ファンの心に深く刻まれたディープインパクトという存在は、競馬に求めるものをより高い水準へと導いたといっていい。競馬ファンはすでに第二の衝撃波を心待ちにしているのだ。

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2006/12/25

■12月23日(土)阪神 ラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)

今年からレースの名称が「ラジオNIKKEI杯2歳S」と生まれ変わった2歳馬による関西圏におけるクラシックの登竜門的なレース。しかしながら、2000年の勝ち馬で4戦4勝で皐月賞を制したアグネスタキオンや、2002年の勝ち馬でのちの菊花賞馬に輝いたザッツザプレンティを最後に、ここ3年(旧ラジオたんぱ杯2歳S)からのクラシックホースは誕生していない。そんな近年の傾向に反発するかのように、今年はクラシックの主役候補と呼べるべき一頭のサラブレッドが鮮やかにこのレースから勝ち名乗りを挙げた。

単勝1.8倍という圧倒的な1番人気に支持されたフサイチホウオー(安藤勝)である。前半の1000mが61.4秒というスローなレース展開。スローな流れでありながら、勝ったフサイチホウオーは序盤から離れた中団に構えてレースを進めた。4コーナーから仕掛けられると、あっという間に前との差を縮め、直線では先に抜け出した3番人気のヴィクトリー(武豊)をゴール寸前でクビ差抑えての勝利。

直線半ばでは、安藤勝騎手の左ステッキに反応し急に内に切れ込んでしまったフサイチホウオー(審議対象:過怠金10万円)であったが、4コーナーからグングン前に迫った脚には大物感が漂い、持続力のある末脚を搭載したクラシック候補と呼ぶに相応しいレース内容であった。

尚、2着に敗れたヴィクトリーだが、前半掛かってしまったことが終いの差につながってしまった。それでも、ここがデビュー2戦目を考えると十分なレース内容で、血統背景からも今後に期待のかかる馬だといえる。また、2番人気で3着に敗れたナムラマースだが、絶好の位置取りでレースを進めるも最後の直線で息切れしてしまった。それでもレース後のペリエ騎手の談話の中で、「不利をハネ返して伸びているし、とても意志の強い馬」という言葉が示すように、道中の不利というものがスムーズさを欠いてしまったことにつながった今回の敗戦。それでいて差のある敗戦でもなく、この結果が力関係という見方は現時点では早計であろう。

父:ジャングルポケット譲りともいえるフサイチホウオーの走り。その走りはまさに獲物を捕らえるハンターのような走りである。デビュー3連勝でクラシック候補の最右翼に躍り出た軍団の若武者の今後が実に楽しみなものとなった。来春は共同通信杯(2月4日、東京、GIII、芝1800m)から、華やかなクラシックステージへと駒を進めることになる。どうやら来年も「フサイチ」の称号がターフを沸かすことになりそうだ。

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