2007/02/12

■2月11日(日)東京 ダイヤモンドS(GIII)

東京コースで唯一組まれている芝3400mという伝統の長距離重賞戦:ダイヤモンドS。その舞台に今年も16頭のスタミナ自慢の馬達が、東京競馬場芝コース1周半というマラソンレースにこぞって参戦してきた。ハンデ戦ということもあり毎年波乱傾向にあるレースだが、今年は単勝1番人気の支持を集めていたクリストフ・ルメール騎乗のトウカイトリックが、57`というハンデを背負いながらも鮮やかにレースを快勝した。

このレースで1番人気馬が勝ったのは、95年のエアダブリン(59`)以来となり、久しぶりに実績馬が能力の違いで勝ちきったレースとなった。レースは、リキサンポイントが先手を奪い、アドバンテージがその後ろに控えるという2頭が抜け出す縦長の展開。勝ったトウカイトリックは後方10番手のポジションでレースを進め、3コーナーで各馬が動き始めると、ワンテンポ遅れてルメールの手綱も動きだしたが、その両サイドの馬に挟まれるような窮屈な位置取りとなってしまった。

しかしながら直線に向いてからがこの馬のステイヤー性能の違い。道中3番手でレースを進めていたエリモエクスパイア(2着)が、抜群の手ごたえで内からスルスルと先頭に踊り出ると、その後ろからトウカイトリックが一完歩づつ馬体を併せにいき、ゴール寸前でエリモエクスパイアを見事に競り落とした。結果クビ差という着差ではあったが、53`という軽量を見方に理想的なレース運びをしたエリモエクスパイアを自力でねじ伏せたのだから、この勝利の持つ意味は価値あるものだといえよう。

尚、2番人気のバイロイトだが、道中は好位でレースを進めるも直線での伸び脚を欠き、勝ったトウカイトリックから約1秒離されての4着に沈んでしまった。前走で勝っている万葉S(3000m)からの2ハロンの距離延長が応えたのか、直線では少々苦しがるシーンも見られ、距離というものが敗因として考えられる結果ではなかったか。

長距離重賞では常に善戦を続けていたトウカイトリックが、ついにそのスタミナで念願の重賞ウィナーの仲間入りを果たした。同時に、父:エルコンドルパサー産駒5頭目の重賞勝ち馬の誕生となった。最近ではJCダートのアロンダイトや、根岸Sを勝ったビッググラス、そして川崎記念を圧勝したヴァーミリアンなど、ダート血統のイメージが強いエルコンドルパサーの産駒だが、やはり万能型の父同様に条件を問わない強さを持ち合わせている血筋だといえる。

勝ったトウカイトリック同様、現在種牡馬リーディングで10位につけているエルコンドルパサーの血だが、今後も産駒の持つ幅広い適応力は脅威といえよう。

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2007/02/12

■2月11日(日)京都 きさらぎ賞(GIII)

昨年のクラシック戦線を多いに沸かしてくれたドリームパスポートとメイショウサムソンで1、2着を分け合った昨年のきさらぎ賞。年々クラシックを目指す馬達のステップレースが分散化傾向にある中、このきららぎ賞は関西圏におけるクラシックへの最重要ステップレースであるという位置づけに何ら変わりはない。そんな今年のレースを制したのは、単勝3番人気に支持されていたアサクサキングス。

圧倒的1番人気に支持されていたオーシャンエイプスに注目が集まる中、勝ったアサクサキングスは好スタートから先手を奪うと、1000m通過61,7秒というスローペースに持ち込み、そのまま脚色を乱すことなく先頭でゴール板を駆け抜けた。新馬→百日草特別と連勝したのち、前走のラジオNIKKEI杯2歳Sでは少々強引な競馬と直線での不利に泣き5着に敗れたが、百日草特別を逃げて勝った際に記録していた芝1800m1:47:5という優秀な走破時計を裏付けるかのような今回の勝利であった。

ラストの直線においてもラチに頼るのではなく、馬場の真ん中から堂々と押し切った今回のレースぶり。そして、メンバー唯一となった1分48秒台の時計と、レース自体の上がり3ハロンと同じ35秒0でまとめたきた末脚にも見るべきものがあったといえよう。

尚、2着にはメンバー最速の上がり33秒9の脚でナムラマースが差し脚を伸ばしたが、3着サムライタイガースとの2着争いを制するにとどまった。それでも、札幌2歳Sを制している重賞ウィナーらしい決め手は十分に発揮されていた今回のレース内容。

残念ながら4着に敗れた注目のオーシャンエイプスだが、やはりキャリア1戦で挑んだ重賞の壁は厚かったといえる。同じ舞台ではあったが、圧巻だった新馬戦快勝時と今回とでは、前半の1000mで約1秒ほどきさらぎ賞の通過ラップの方が速く、そんな中を早めに前を捕らえにいったことがラストの脚をなくしてしまった要因ではなかったか。それでも、勝負どころで自ら動いていける自在性には見るべきものがあり、今後においても注目に値する存在であろう。

終わってみれば、昨年のドリームパスポート、メイショウサムソンらと同じように、ここまで着外のない馬達によるワンツー決着となった。やはり若駒における精神面の強さというものは、レースでは最大の武器となりうる。待ち受けるクラシックの春は、そんな馬達を常に歓迎しているようである。

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